捨てなければ生まれ変わることはできないと言い換えることもできるだろう。 捨てるという哲学の源は、旧JSCの中核となったO田屋の家訓「大黒柱に車をつけろ」にある。

動かないからこそ大黒柱。 その大黒柱も環境が大きく変わったら動かせという意味だ。
捨てるという哲学は、古いものの破壊、革新への挑戦につながっていく。 IOの大胆さ、思い切りの良さ、革新性はここから出てくる。
IOにとって創業30周年は特別に重要な節目と言わなければならない。

それは小売業界の競争環境が大きく変わり、国内の同業他社だけを視野に入れた競争ではなく、世界最大、最強の小売業であるアメリカの「WM」が、SYへの資本参加という形で、とうとう日本に上陸しようとしているからだ。

IOがWMと競合しない立場にあれば話は違ってくるが現実はそうではない。 IOのような総合量販店とスーパーマーケットは、WMとの競争を避けることはできない。
Wを迎え撃つIOの状況はどうか。 WMが、IT(情報技術、インフォメーション・テクノロジー)で武装したハイテク企業であるのに対して、IOは、規模も連結ベース(IOグループ)でWMの9分の1、IO単独で16分の1と小さい上にローテク企業。
収益力が弱く、グループのガバナビリティ(統治力)も弱いという状況だ。 規模もさることながら、収益力の弱さ、これは抜本的な手を打たない限り敗者に転落することは明らかだ。

IOは、国内ではITY堂と並んで勝ち組には入るが、うかうかできる状況ではない。 Wの上陸、予想されるイギリスNO.1のスーパーマーケット「TC」の来襲、そして苦戦しているものの、世界第2位の小売業であるフランス「CF」はすでに上陸している。
こうした状況では、国内勢で勝ち組とされてもほとんど意味がない。 こういう危機的な状況に置かれたIOの生き残りをかけた決意を表わしたのが、IOへの社名変更であり、ここで一貫して取り上げる「2010年ビジョン」の発表だ。

2010年ビジョンは、2010年という当面の目標年を設定しているが、IOの21世紀戦略であり、単なるスローガンとはまったく異なるものだ。 目標数値と具体的な行動計画を持ち、壮大かつ体系化された一大企業変革プロジェクトと言える。

2010年ビジョンは、単に収益力強化を目的にしたものではない。 まったく新しいビジネスモデルを作り上げようとする企業変革なのだ。
このダイナミックなプロジェクトは、強力でさらに有効な武器がなければ達成できない。

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